秋には雑草も穂をつける
まだまだ残暑が続く中、少しずつ秋の訪れを感じるこの頃。初秋のさわやかな空に薄く雲がかかった日などは棚田の風がとても心地よい。稲刈りまであとわずか、まだまだ雑草も元気だ。雑草は夏にかけて最も成長するのはもちろん…
イネ科の雑草は 秋に一段と成長して穂をつける。
夏休み最後の宿題に、元気な雑草たちの中から目立つものをあげてみた。どちらもイネ科の雑草である。まずは、
メリケンカルカヤ ― 以前に比べて目にすることが多く、勢力を増しているものと伺える。うちの田の斜面の上の方に一群を見つけた。外来種で繁殖力が強く、要注意外来生物に指定されている。
茎に沿って出ている葉のところの綿毛のような白い毛の出た穂が特徴。株が大きくなると引き抜くのも大変で、小さいうちに取り除きたい。
コメヒシバ ― この時期、道端や空地などどこでも穂を出している草。穂の先が2、3本に分かれているのが特徴。もう少し先の本数が多くて大きいのがメヒシバ。
低く横にはうように広がって大きくなり、完全に取り除くのが大変。穂をつける前に、小さいうちに手刈りで根ごと引き抜くのが最善で、機械で刈っても根元が残る。以前お話したシロツメクサを残しておくと、これといい勝負をして陣地を取り合ってくれるが、それでも押され気味のことが多い。
畦草の植生をよく見ておこう
これまで話に出ていなかったが、周囲の田の畦も含めて地面をよく見ると ノシバ(野芝)が隠れているところが多く、その勢いがいいとコメヒシバなどが生えにくいようだ。ほどよくノシバが生えてきて、そこをシロツメクサが覆ってくるのは理想的な植生で、美しい里山 の姿と言える。
実際、多くの田の畦に生えている草の中にはノシバが見つかるはず。畦草の管理には、この芝を植え付けて雑草を抑制する方法もとられるほどだ。それを知れば、わざわざ削り取ってしまう気になるだろうか?
ノシバを刈るには、庭用の芝生と同じく2〜3cmくらいの高さがちょうどよい。あらためて強調すると、地面を削るような刈り方をせず、効果的に高刈りをすれば、有益な草たちが勢いを増してくることは実証済みである。
この時期、以前にもふれたとおり4回めの一斉草刈りをしていたときがあった。3回となった現在は、あまりに雑草だらけであれば稲刈り前に一度刈っておいた方が良いと思う。それほどでなくても最後に稲刈りのときに穂の出た草も刈っていくとよい。ついででよいから、なるべく種を落とさないように、手にした鎌でそっと刈り取るだけでも違いが出る。さて、あとは稲刈りを待つばかり。
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