もうすぐ田植え ― どうなる米価格

ずいぶん間が空いてしまった。今年も間もなく田植えの季節。その田植えもタダでできるわけではない。5月になるとこのような 納付書 が送られてくる。

お値段はご覧のとおり。ちょうどオーナーになった頃の伝票が見つかったので比べてみる。15年で 5,000 円ほどの 値上がり。昨年からの米価格の急騰よりも以前からこの値段になっていたので、米価格というよりもそれ以前の材料費などの上昇が影響していたのだろう。

苗を育てるのに使う種籾は、オーナー田ほどの広さ(苗床5〜6枚)であれば 5,000 円もしないところで、それ以外に田植え以降に使う資材のメンテナンスも必要であるし、諸々の費用が含まるものと考えられる。

昨今の米事情

一昨年からの猛暑による米不足を受けて一気に倍近くも上がった米価格であるが、これを上記の費用と比べてみる。平均的な棚田で穫れる米は脱穀して 60〜70kg、これを精米すると 2 割ほど減るので、手元に残るのはおよそ 50kg になる。すると 5kg あたりおよそ 3,900 円で、現在の高騰した市販価格と同等になる。

もっとも、生産物と経費を比べるのは意味がないわけで、それでも田植えや収穫を一つの趣味と考えれば、自分で育てる棚田米もそう高くはないと言える(かな)。市販米が高いとは言え、2000 年代には今くらいの値段だったのだから安さに慣れてしまったとも見ることができる。

現在の食料自給率

図 1. 都道府県別食料自給率(カロリーベース)平成 29 年度までの 5 年間平均 

そんなことを考えつつ、日本の食料自給率について気になったので調べてみた。食料自給率はカロリーベース生産額ベースで算出される。結果は図のとおり。

ほか農林水産省による令和2年度の日本の自給率はカロリーベースで37%、生産額ベースで 67%となる。長野県(令和元年度)は前者が 53%、後者は 134%。カロリーベースに比べ生産額ベースが高く、野菜や果物など付加価値の高い生産物の影響であろう。

また、他国と比べても図抜けて低い食料自給率の日本において、将来的にさらに困難な状況を迎えると予想される。私たちが自分で米を作るには土地や機械が必要になるが、簡単に作れる野菜なら少しでも足しになるか。せめて、国内と地元の農産物を好んで選ぶようにしたいところ。

図 2.我が国の食料自給率・食料自給力指標について

食料自給率については小学生の頃の社会科の教科書に大きな天丼の絵が載っていたのを見て、うまそー、でもずいぶん低いものだなと思い、エビが外国産と初めて知ったのであった。

では、こちらのかつ丼とうな重の食料自給率(カロリーベース)が高いのはどちら?


答:かつ丼 51%、うな重 70%です。
うな重食べられればまあええか。

(イラストは©いらすとや)


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