夏の野菜を漬けておく ― 丸なすの粕漬け・青トマトの酢漬け
この時期、夏の味を漬けて残しておこう。
さんざん食べたなすにトマト。それぞれの家庭の味があるように、わが家も野菜を漬けるのが決まった仕事になっている。あと一月ちょっとで食卓に上がる新しいお米のために、ご飯がさらに美味しくなる一品を用意したい。
まずは なす。すぐ食べるように切って漬けるのと違い、持ちをよくするため丸ごと漬ける。
丸なすのそのまま粕漬
(材料)丸なす5〜6個、塩適量 / 粕床 ― 酒粕 1kg / 砂糖 200〜300g / みりん 3分の1カップ / 塩 50g
1.なすを洗い水気をとりヘタをとる。適量の塩をすり込んでおく。
2.粕床の材料をよく混ぜる。
3.ビニール袋に粕床を半分入れ、用意したなすを入れる。
4.残りの粕床を入れ、空気を残さずに袋の口元をねじってしばる。
上の材料は酒粕が少なさそうに見えるが、ビニール袋を使うと粕を十分含ませられ、場所もとらず無駄なく漬かる。ヘタを切り落とさず、こうしてトゲのあるところをそぎ落として取ると、野菜から出てくる水が少なくなる。
しばらくして粕がゆるくなってきたら、時々ゆすって混ぜてやる。涼しいところに置き、あまり暑ければ野菜室などに入れて酸っぱくならないように気をつける。
出来上がり写真がなく残念だが、これで一月もすれば食べられる。秋冬までもつので(3ヶ月ほど)、ぜひ新米と一緒にいただきたい。
その頃にはすっかり漬け上がって 濃いあめ色 になり、ほんのりと香る酒粕の匂いとすっきり塩気のきいた味で、一切れあればそれだけで一杯のご飯をたいらげてしまう旨さだ。
粕床はまた野菜を入れて、人参など漬けると美味しいし、魚もよい。あまり水っぽくなると使えないが、これくらいだと後始末も面倒がない。
たくさんとれた トマトも漬けておこう。
使うのはまっ赤なトマトでなく、青いトマト。棚を壊して片付ける頃に残った青トマトを酢漬けにする。「ピクルス」で検索しても数多くレシピが見つかるが、わが家ではこんな感じ。
青トマトの酢漬け
(材料)青トマト 500g / 酢 300g / 砂糖 100〜150g / 塩小さじ一杯
1.トマトを洗い、1〜2分さっと茹でる。
2.湯から上げて熱がとれたら、ヘタをとり輪切りにする(好きな切り方で)。
3.酢とその他材料をよく混ぜ、切ったトマトを加えて容器に入れる。
さっと湯にくぐらすと少し赤みをおびて、いくらか青臭さも抜ける。好みで玉ねぎや唐辛子なども。つけ合わせやおつまみにもよし、チーズやハムと合わせてサンドイッチにして食べるとちょうどよい、夏の終わりの味である。
夏野菜の代表のなすとトマト。わが家ではずっと下の畑(下の田の隣の畑)で作られたものをいただいている。そのトマト、かつて祖父は中濃ソースをかけて口にしていた。一方、祖母は砂糖をかけるのが好みで、私たちもそれにならい砂糖がけのトマトがデザートだった。今にしてみると妙ではあるが、少なくとも砂糖がけは一つの流派らしい。思えば、今ほどフルーツらしい甘味がなかった当時のトマトに砂糖をかけるのは自然なことだったのだろう。
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