大変な草刈り ― 高刈りのススメ
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(1~2週間もすればこのとおり)
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きれいに刈った草。でも、あっという間に伸びて きます。
雑草にもいろいろ種類がありますが、ぐんぐん伸びるのがイネ科の雑草です。作物に食害を与えるカメムシが好む草でもあります。
高く伸びる草もあれば横に伸びる草もあります。この違いを利用して効果的に草刈りをするために「高刈り」という方法があります。
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(低い草が増えてくると楽になります)
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文字どおり、少し高めに(5~10cmほど残して)刈ると、低く横に伸びる草が残り、刈り残した茎もじゃまになってイネ科の草が抑えられるのです。
そのほかにも…
・草刈機による飛び石もなく安全
・草刈りの回数と時間が減らせます
・地面も削らずにすみます
など、メリットの多いやり方です。
特に、地面を削るほど刈ると雨により土が流れ出し、大雨で斜面が崩れる原因になります。それを避け、里山の景観維持にもつながります。
残して刈るとすぐに伸びてきそうですが、低く刈っても高く刈ったときと同じか、それ以上に勢いよく伸びてきます。手間を減らせる高刈り、おすすめします。
…という内容をアンケートと一緒に農林課に送ったことがある。一つのアイデアの提案であったが、なしのつぶて。草刈りにも土地の管理者の考えがあるのかもしれない。ただ、この頃の棚田を見るにつけ、以前はもう少し控えめな刈り方だったように思えるのだ。
高刈りの効果を上げるには
その後、あらためて確信を持ったのは前回の話のとおりだが、いくつか注意が必要なことにも気づいた。もちろん草取りなしですむわけでなく、その性質から高刈りは何にでも効く 万能薬ではない ということだ。
つまり、場所や状況によってはあまり効果のない場合があるということ。自宅の庭や公園などの草取りであれは、草の根まで残さず取り除くだろうし、高刈りに適した所でも、広葉雑草が少ない状態ではあまり良い結果が期待できない。
このため、試しても効果がなかったという残念なことも考えられる。しかし、広葉雑草の少ない場所でもイネ科の雑草だけ刈り取る作業を繰り返していると、1、2年とするうちに広葉雑草が増えてくる。私もだいぶ年月を要したが、このやり方の良さを実感するには 急がず気長に待つ に尽きると言える。
実際は、なかなか田んぼに行けないという人も多いだろう。予定された3回の草刈りに加えてそれ以上が難しければ田に除草剤を入れてもらい、あとは畦草刈りに集中するのが現実的なところか。それでも3回は最低限で、やはり田の草も伸びてくるから、その間に一度でも来られれば、この方法と相まってずっと楽になる。
これはどちらも近くの他所の田んぼのようす。高刈りを実践しているオーナーさんがいたので、ひっそり観察してみた。右は2週間たったもので、地際まで刈った範囲と見分けがつくだろうか。高めに残した箇所は伸びが早いが、次第にちょうどよい刈り方が分かってくる。ひとつ試されてはいかがだろう。
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