梅雨明けの暑さ ― 米作りの大切な時期


朝早くからカンカン照り。背の伸びた稲に隠れる生き物はさぞかし快適なことだろう。稲の陰になって田の草の勢いが弱まるのはありがたいことだ。

小暑大暑 とはよく言ったもので、日に日に暑さが増していく。昨年は6月末から35℃近い日が続き、7月も高温が続いたが、今年は涼しい日もありながら梅雨明けからそれ以上の暑さとなっている。いずれにせよ、米作りにとって気がかりな時期、さらに強まる暑さの中…

暑い夏を乗り切るために

暑さが続く時期、8月には3回めの草刈り。晴天で35℃近くになる日は朝8時にもなれば頭上から日が照りつけ、昼まで仕事をすれば汗びっしょりで干からびるようだ。屋外の活動は控えるよう熱中症注意報が出る暑さの中、いくらか涼しい野山とはいえ、強い日差しの中の作業は何とかしたくなる。

真夏の棚田

一つの対策に、一斉草刈りの作業に慣れてきたら、暑さを避けて涼しい日や時間にずらしてみたらどうだろう。そもそも都合が合わなければ日を変えざるを得ないのだから。ただし、後で理由をあげるように穂の出る8月は指定日よりも後は望ましくない。また、ひと気のない場所で一人で動力草刈り機を使うのは特に安全に注意したい。

私は夏の盛りは日中でなく、日の出からの数時間に済ますようにしている。朝飯前の一仕事、遠方の方には申し訳ないようだが、もしその立場だったらと考えることもある。

朝早く出て炎天下で作業、日帰り温泉でひと休みにしてもこの時期はやはりしんどい。ならば私は一度、夏の行楽がてら一泊旅行をしてみたい。方々めぐって宿に入り、翌朝薄暗いうちに田んぼへ。日が高くなる前に仕事をすませ、宿に戻って一風呂あびて…  という計画だが、笑われるだろうか。

出穂前後に注意が必要な理由

8月初めに草刈りに行き、田の中を見ると、出始めた穂を見つけるはずだ。

穂が出た稲が全体の4〜5割になると「出穂期(しゅっすいき)」、8〜9割で「穂揃期(ほぞろいき)」と呼ばれる。出穂期は受粉を妨げないよう田んぼに入らないのはもちろん、前後4週間は畦草刈りをしないように言われる。害虫を寄せつけないように配慮し、出穂が8月初旬であれば7月中旬に草刈りを終えることとされる。

ただ、これについて調べてみると、時期がまちまちなのが悩ましい。薬剤のかね合いもあるのか、基本は前後4〜6週間として、出穂期にもう一度刈るように推奨されるケースもある。避けるべき時期になぜと思うが、イネ科雑草に出穂させないためのようで、7月の草刈りから3週もすれば雑草が穂を出してくるから、徹底して抑えたいわけだ。

 雑草の穂に注意

そうすると現在の日取りも、穂が出るのが遅めであればこれに対応できるが、出穂の時期は年により10日も前後する上、日にちも固定されているのはどうしようもない。ともかく、8月の草刈りにかけて虫の餌場になる雑草の穂を出させないことが最重要と言える。そして、ここでもやはり高刈りが効いてくる。

以前は一斉草刈りが年に4回のときもあり、8月の初旬、その後9月にもう一度行っていた。簡略化でなくしたのか、それでもこの時期の草刈りも翌年に種を残さないために重要で、できるのなら稲刈り前に最後の草刈りをしておくと効果がある。

と、あれこれ考えずに働くのが楽ではあるが、これほどの場所はない棚田で米を育てるからには、わずかな田んぼでもできる限りのことはしておきたいのだ。


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