道すがらの道祖神
新年の化粧直し
近所の空き地に立つ 道祖神。このあたりの集落は昔からの街道沿いにあるので、道端に道祖神が祀られているところが多い。一般的に夫婦の像が連想されるが、大抵は簡素に文字を刻んだ碑で、その中でひときわ目立つのが、この藁で造られた像である。
藁の道祖神は、山道などで見ることがあっても、周りが住宅ばかりのところに現れると珍しく、不思議な感じさえする。通りで目立つから、行き来する人たちもたまに携帯カメラを向けている。
そもそも十数年ほど前に、地元の 神楽の会 の皆さんが始めたのがきっかけで、他所のものをまねて作ってみたらしい。その頃は、裏手に築百年近くの住む人のいない古屋敷があって、狸がいると噂になり、この道祖神にはぴったりの背景だった。
こうして、新年の どんど焼き に集めた正月飾りを使って衣装替えをするようになり、お飾りをそのまま使うところもあれば新たに撚り直して仕立てもする。一年たってかなりくたびれてしまった道祖神も、皆さん慣れたもので、すっかりきれいになった。
地域に伝わる どんど焼き は、正月行事の一つで、なかなか面倒がことも多いので廃止されるところもあると言う。幸い、ここでは無事受け継がれて今年も行うことができた。火祭りを街中でするのは大変なことで、最近は住宅地の公園で行い、準備から片付けまで結構な一仕事である。それでも、子どもたちには嬉しい行事で、毎年多くの家族連れで賑わう。
一昔前は子どもの数も多く、大勢の人であふれるほどだったのを覚えている。しかも夜に行っていたから、夜空に舞う火花を見ているだけで楽しいものだった。ここで焼いた 餅 はご利益があると、餅をアルミ箔にくるんで竿に吊るした姿はさすがに今では見られなくなった。
棚田もようやく冬景色
暖かかった正月もだいぶ冷え込むようになり、棚田も少しばかり雪化粧。年末までに雪が積もると根雪になるが、わずかばかりの雪はお天気が続くと溶けてしまう。棚田にも陽があたるが、午後3時になれば太陽が山に隠れてしまい、平地のようにはなかなか雪は溶けない。雪景色を見るにも、このくらいの方が風情があるものだ。
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