年の瀬の手仕事 ― しめ縄を作る

棚田の藁でしめ縄を作る


一年で一番楽しい時期、楽しいときは時間がたつのが早い。せわしい師走に新年を迎える仕事がいくつかある。

この時期、地域行事でしめ縄作りを催していて、なかなか行かずにいたところ、数年前に役員をしたときに作り方を教えてもらった。それを思い出して作ってみる。

手植えで手刈り、お日様をたっぷりあびて、これほど ありがたい藁 はない。地元の神社から取りに来るほどなのだから、使わない手はない。

手作りしめ縄

必要な は、脱穀のときに持ち帰ってたっぷりある。今回作る ごぼう であれば、一束でいくつか作るのに十分だ。まずは、すっかり乾いた藁に水をかけ、少なくとも1時間は置いてしんなりさせる。木槌などでよく叩く。

1.用意した藁から汚れの少ないものを選び束にする。太さはさまざまで、1束を3つに分ける本数をそれぞれ3、5、7といった決まりのいい数にするとよいという。今回は7本×3の中くらいの太さにした。ざっと20〜30本つかんでもいいと思う。

2.束を分けて、1つずつ右回りに撚り合わせていく。下の端を足で押さえるとよい。湿り気が足りないと角張ってしまうので、再び水で濡らしよくならしてやる。最後に端を洗濯バサミで止めておくと散らからない。

3.撚った2本を今度は左回りに撚り合わせる。先に撚った分がばらけてくるので、上の写真のようになったところでそれぞれもう一度右回りに締め直してやる。慣れた人だと、この手順を前の手順と一緒に進めていく。

4.最後の一本を先の2本の周囲に巻きつけていく。ギュッギュッと締め直しながら巻く。


でき上がり! 最後にシートの上で転がしてならすか、手の間ですり合わせてやると、滑らかに仕上がる。

正月飾りも面白いもので、長年受け継がれた地域の性格が形になったようなもの。ここ千曲市は、あるいは北信全体に、このごぼうに松と伊勢流の紙垂を添えて2本を1対縦にして飾る。玄関や、おそらく神棚もそんな風にしているところが多いから、全国的に見たらちょっと変わって見えるかもしれない。

最初の写真の御札は地域の神社のもの。これが配られるといよいよ師走。御札は地区の担当が配るのだが、大抵は手渡しでそのまま受けるのに、近くのご丁寧なご婦人、この方だけは差し出した札をきちんと盆で受けるのである。わが家ももっと大切にすればよいのだが、ぞんざいに扱われるせいか、どうも御利益が少ないようだ。


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