新米をいただく ― 玄米・胚芽米・分づき米

お米屋さんのお米

五合枡いっぱいの新米


脱穀して籾がとれると、私はいつもそのまま持ち帰り近所の精米所で精米をする。ここは昔からの精米所で、古くから「お米屋さん」、「配給所」などと呼ばれている。今は看板を下ろしてしまったが、近所のよしみで使わせてもらっているのだ。

このお米屋さん、その昔私の祖父も創業者の一人で、わが家でも米を扱っていたことがあった。切り盛りは前回もお話した祖母の役目で、量り売りするにもオマケはしないしっかり者だったそうだ。そんな訳でこんな古い枡が残っていたりする。

お米の味を保つには

皆さん、さっそく今年の新米を味わったことだろう。出来のよいときは ご飯のおかずに食べる こともあるくらいの棚田米。猛暑の影響は残念ではあるが、これが今年のお米、田植えから手をかけた米を大切にいただくしかない。そして、できるだけ長く味を保ちたいもの。

(この写真は今年の玄米。高温の影響で白濁化した箇所が目立ち、これは正式に「粉状質粒」と呼ばれる。)

古米でも新米のように炊ける方法とか、 美味しくなる炊飯器というものもあるが、とりあえずはこの米をできるだけ鮮度よく保存することが重要で、その点これから寒くなる一方の時期は土間に置いておいても心配はない。新米の時期ははもちろん、春先まで美味しく食べられるのは米も追熟するからだそうで、そのためには良い条件である必要がある。

さらに、精米後は1ヶ月程度が美味しく食べられる期限であることも考え、わが家では 籾か玄米のまま保存して小分けに精米 する方法をとっている。家庭用の精米機が必要で面倒そうではあるが、実際使ってみると新鮮な米を炊くのが一番ということになった。気になる費用も、精米機と普通の炊飯器で多機能炊飯器よりも安上がりにすむ。

玄米・胚芽米・分づき米

玄米、胚芽米、分づき米、白米

こちらは家庭用精米機によるお米。右の玄米から、胚芽米、7分づき、白米と、180ccのカップの玄米と量を比べてみた。色は炊くとこれより少し薄く見える。よく言われるように、白米は1割が削られて糠になり、一合の白米には200ccの玄米が必要になる。   (注)  胚芽米は厳密に胚芽精米の基準を満たすもので、普及型の精米機では本来の胚芽米にならないだろう。

味は好みもあろうが、どれも 棚田米の味 の特徴は変わらない。玄米が日常食だと少々きつく感じるから7分米を主にして、気分で玄米や白米にしている。「お米は白くないといやじゃ」という人も、分づき米から試せば食べやすいし、玄米も白米と混ぜると一味違うご飯になる。栄養が増すことはもちろん、これを食べるとお腹の調子がすこぶる良くなる。


天日干しをしたからか、そもそも棚田米の味であるのか、モチモチとして噛むごとに甘みが増す味わい深さ。(写真は圧力炊きでもっちりした玄米入りご飯)

せっかくのご飯も体調がすぐれないといま一つの味になるから、健康でいることもご飯を美味しく食べる条件。新米を食べると、また元気に冬を過ごして来年を迎えようという気持ちになるのだ。


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