残りの宿題 ― 田んぼがヒエだらけになったら
お盆が過ぎて、真夏の暑さはおさまりつつも、まだまだ日中は暑い。今年は夜も暑い。稲も順調に実っているようで、次第に頭を下げだしている。その中に…
やっぱり出てきた ヒエ !!
やり始めて間もない頃は、これを見て気が遠くなったものだが、今ではこれも風物詩と思えてくる。それに、うまく対処すれば次第に減ってくるものだ。除草剤を使っていてもいつの間にか生えてくるし、一方で除草剤を入れない田でもほとんど見ないところもあるから、手の入れ方次第なのだろう。周囲を見回してもきれいな田が多く、こっちもやらんとなという気になる。
いくつか種類があるヒエは総称してノビエと呼ばれ、食用である雑穀のヒエとは異なるもの。米の中に黒い粒々を残す悩みの種、このあちこちと飛び出したものを 取り除いてすっきりしたい。
土が粘り気を増して歩きづらい田の中をヒエを目当てに歩き回る。稲の株に近いと、どうしても残りがち。背の低いものは見逃しやすいが、穂の形と葉の色合いで見分けがつく。上のところを引くとすっぽ抜け、残った本体からまた出てくる。根こそぎ引き抜くのも、ここまで大きくなると大変だ。
そこで 鎌 を取り出し、茎のできるだけ下(○印のあたり)で刈り取る。上の方で刈ると、またすぐ出てきてしまう。写真には小さめのヒエと大きくなったホタルイも見える。細めで根ごと引き抜けるなら抜いた方がよい。
刈り取ったヒエは畦に置かず、隅の方にまとめ、草をかぶせて種が飛ばされないようにしておく。それでも残ったヒエは稲刈りのときにより分けるしかないが、もうその時期には種が落ちてしまっていて、来年もまた同じように生えてくる。
ヒエが多くて困っているなら
田の草取りが追いつかなくてこの時期に多く残ってしまうようであれば、今からでもひと手間かけてヒエ取りに集中 してみると効果がある。できるだけ種を残さないようにすれば、翌年に生えるヒエがぐっと減り、草取りもしやすくなる。
稲刈り後にどうしても落ちた種が残るものだが、それも年々少なくなっていく。ちなみに、田植えのときに水面にたくさん浮いている黒い種は、手にとってみるとほとんどは実のない殻なので、あれが全部生えてくるわけでないのでご安心を。
これで残りの宿題は片付いた? いえ、まだ終わっていないのだ。
でも、慌てることはない。手を休めて田んぼの中を覗いてみると、夏の間に大きくなった生き物たちが賑やかに動き回っている。害虫退治に活躍してくれることだろう。豊かな自然の中で育つ稲を見ると、草取りもそう煩わしくは思えなくなる。
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